
表現者の闇と光――劇団響人『楽屋』を観て
昨日は、APOCシアターにて劇団響人の公演『楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー』を観劇してまいりました。

響人は、ミュージカル『えんとつ町のプペル』で演出を務められた吉原光夫さんやミュージカル俳優仲間の高橋卓士さんが、主宰している劇団。
本作は、実に12年ぶりの上演なのだとか。
音楽を紡がれるのは、長年吉原さんと共に歩まれている藤本藍さんです。
藤本さんは『えんとつ町のプペル』の劇中歌「星の歌」の作曲家でもあります。
作中に流れるその儚くも美しい旋律は、観客をより深い物語の海へと誘ってくれるようでした。
学生時代に何度か触れたことのある名作『楽屋』ですが、当時はどこか遠い物語のように感じていたのか、後半の展開を鮮明には思い出せずにいました。
しかし、今の自分が触れると当時とは全く異なる景色が見えてきました。
俳優という生き物が抱える、残酷なまでの「闇」。
きらびやかに見える世界の裏側にある、孤独な戦い…
日の目を見るのは、ほんの一握り。
それ以外の多くの表現者は、「いつかきっと報われる」と、心の灯を絶やさぬよう、日々の生活を繋ぎながら、静かに努力を続けています。
また、嫉妬、悔しさ、焦り――
人には決して見せない感情を抱えながら、それでも舞台に立とうとする。
その過酷さのすべてを呑み込んだ上で、自分はこの表現の世界に身を置き続ける「覚悟」があるのか。
わかっていたつもりでしたが、舞台から改めてその問いを鋭く突きつけられたような気がしました。
しかし、観劇後に胸に残ったのは、重苦しい闇だけではありません。
むしろ、希望に似た、強い生命のエネルギーです。
吉原光夫さんの演劇愛がたっぷり詰まった演出は
"演劇の力によって、生かされている。"
そんな実感を改めて噛み締めることができた、素晴らしい時間でした。
完売だったようですが、追加席が出て僕も見ることができた貴重な舞台。
9/1まで!
残席わずかだと思うのでぜひとも!

